構造 住宅の基礎を考える (1) -地質調査のみかた
近年では、住宅でも地質調査を求められることが多くなってきています。
その要因として
①地盤支持力の確認厳格化・・耐震性や木造3階建ての為、
②長期の地盤支持力に関する検証・・不等沈下、圧密、液状化
③施工に関しての信頼性の担保・・適正な基礎の選定
などが考えられます。では、昔はどうか?
大工さんや、職人任せで当然、地質の知識などはないので経験頼みでした。なかには鉄筋が入って無いものもありました。
それでは、適正な基礎の選定とは、地盤の支持力に応じて次のようにまとめられます
①支持力-大 布基礎 (通常の基礎で逆T型で基礎の幅は60cm程度)
② 〃 -中 ベタ基礎、布基礎+地盤改良(土にセメント粉をまぜて地表2mほど撹拌)
③ 〃 -小 ベタ基礎+地盤改良
④ 〃 -無し 杭+基礎(ビルの構造と同じ)
資料は、スウェーデン式サウンディング試験で主に住宅に用いられる簡易式の地盤調査です。
注目するのは、N値です。これは地盤の支持力を示すので、近年では世界でも用いられる指標です
目標とするN値は5程度ですが、深さ10mになります。
ただ、地盤改良では10mまで届かなしい。また、中間の地質が腐植土で腐食が進むと沈下が予想できる。加えて、地下水位が地表付近まであり、地盤はプリン状態で長期的には圧密性の沈下が懸念され、短期的には、地震による揺れが大きくなると想定されるます。
結果として、基礎は杭を採用することになります。
ただ、施主は、100万ほどの追加負担と、近所では地盤改良で済ましているので過剰な構造ではないかということで、なかなか了解して頂けませんでいたが、よく必要性説明して、コストも仕上げ見直して圧縮することで了承を得ました。